高校の遠足を中止させるため、生徒を装って自殺をほのめかす手紙を学校に届けたJTB中部社員、城谷慧容疑者(30)=名古屋市千種区朝岡町3丁目=を偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。
本人は懲戒解雇され、「間違いありません」と容疑を認めているというが、いささか不可思議な事件ではあります。

1,30歳の社員たった1人の為に、遠足が出来なくなる、1,バスの手配を忘れていて、会社はそれをチェック出来なかった、もしくはチェックしようとさえしなかった。いや、チェック機能さえなかった。3,生徒を装い手紙を出した。
 どの点から見ても、納得がいかないのだが、マスコミは意見が異なりそうです。JTBブラック企業説は相当以前から出ているものではありますが、今回はうつ問題と絡めた視点での記事がありました。
 しかし、今回の事件を短絡的に問題行動と捉えて見ること、それが妥当なのかは疑問を感じます。

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会社員の8割が「JTB社員のような不祥事」を起こす可能性がある!?- 日刊SPA!(2014年5月6日)

 日々ニュースを賑わせる“不祥事”の数々。組織ぐるみの大事件が耳目を集める一方で、最近とみに増えているように思われるのが、「フツーの会社員がとんでもない事件を起こす」という事例だ。
  つい先日も、JTB社員がやらかした“トンデモ不祥事”が世間の耳目を集めたばかり。高校の遠足で使うバスの手配を忘れ、あろうことかそのミスを隠蔽するために、生徒を装って「遠足を中止しなければ自殺する」という内容の手紙を高校に送りつけた……という一件だ。ワイドショーなどでも大きく扱われたこの騒動、コメンテーターはこぞって「なぜ上司に相談しなかったのか」という疑問を口にしていたが、「上司に叱られたくない」とか「クビになったらどうしよう」といった動機は容易に想像できるし、多少なりとも共感できるという人は多いだろう。 いやいや、いくらなんでもそこまでアホなことは自分はやらない……と断言してしまうのは早計だ。JTB社員の悲劇は、われわれ自身にとっても決して他人事ではない。というのも、誰もが感じている「ストレス」こそが“トンデモ不祥事”の引き金になり得るからだ。多くの有名企業で産業医を務める、榛原藤夫氏(仮名)はこう解説する。
   「米国国立労働安全衛生研究所が作成した『職業性ストレスモデル』は、仕事上のさまざまなストレスが引き起こす反応をまとめたものですが、それによるとストレス反応は大きく3タイプに分かれます。ひとつめは〈心〉に出るもの。いわゆる〈うつ〉ですね。ふたつめは〈体〉に出るもの。胃潰瘍などがそうです。そして3つめが〈問題行動〉に出るもの。代表的なのは『職場からの遁走』や『アルコール依存』などですが、日頃、マジメに働いていた人が考えられないような不祥事を起こした場合は、この3つめを疑う必要があります」

 ストレスと、うつや体調不良の関係は、今や広く知られるようになったが〈問題行動〉がクローズアップされることはあまりない。かといって、それがレアケースだというわけではないというのが恐ろしいところ。
「例えば、ストレスが過食に出るか拒食に出るかというのは、サイコロの目のようなもので、どちらに出るかわからないわけです。同様に、うつに出るか、問題行動に出るかもわからない。僕は、サラリーマンの少なくとも8割がうつ予備軍であると見ていますが、それは同時に8割が〈不祥事予備軍〉でもあるということです」