不動産売買時、買い手に偽装を伝えることを、不動産仲介会社に義務付け

 旭化成建材による杭工事のデータ偽装が判明したマンションを売買する際、買い手に偽装の事実を伝えることを、国土交通省が売買を仲介する不動産会社に義務づけた。買い主を保護するのがねらいで、違反した業者や担当者には、行政処分や刑事罰を科すこともできる。自殺者が出た物件などと同じ扱いとする。

 国交省は、旭化成建材によるデータ偽装が判明した約70のマンションなど民間の集合住宅について、売買を仲介する場合、原則として契約前に買い手に示す「重要事項説明書」に偽装の事実を記入し、買い手に説明するよう不動産の業界団体に指示した。

 データ偽装の事実が、宅地建物取引業法で購入者に必ず説明しなければならないとしている「重要な事項」に当たると判断した。ただし、杭が固い地盤に届いているなど、安全性が今後証明されれば、買い手からの問い合わせに回答すればよいことにするという。

 旭化成建材以外の杭打ち業者によるデータ偽装があった物件については、買い手からの問い合わせがあれば、偽装の事実を説明する責任を負わせるのにとどめた。国交省の担当者は「不良施工が見つかっていないため」としている。

 今後問題が見つかれば、旭化成建材と同じように説明を義務づけることも検討する。

 今回の指示は、中古マンションの売買価格にも影響を及ぼしそうだ。都市未来総合研究所の平山重雄・常務執行役員は「危険性がはっきりしなくても、買い手は偽装がある物件には不安を抱く。価格の押し下げ要因になる」と指摘する。安全性が確認されるまで、こうした物件の売買が難しくなる可能性もある。