JAL解雇のCA71人の控訴を棄却されました!

JAL解雇問題は、2011年3月に第一審が開始されました。
 訴訟では、旧国鉄での事案同様、日本航空という国策企業で起きたものであること。
 しかも、更生計画下が進む中で、あえて断行された大規模な整理解雇であったことからも、4要件が揃っているとして認められてしまうのではないか、という可能性が論議されていました。

 結果、2012年3月29日に、東京地裁民事第36部で請求棄却判決(パイロット)、2012年3月30日、東京地裁民事第11部 請求棄却判決(客室乗務員)が下されて、2012年12月31日に、パイロット74名、客室乗務員72名が原告となって東京地裁に提起されていたものです。
 これからも長く続く訴訟や争議でしょうが、国鉄同様に組合対策の側面もあったようにも言われており、複雑な問題を内包しています。

 第一審での争点とは、日本航空が行った整理解雇が適法かどうか否かに尽きます。

整理解雇する場合には、以下の4要件が必要!というのが過去に積み上げられてきた判例です。
1.高度な必要性
2.回避努力義務
3.人選基準の合理性
4.労使協議手続

ただ、本件解雇で特異だったのは、解雇で支給される退職金の額でした。客室乗務員でも1000万円は下らず、機長のなかには5000万円を上回る者もいたのです。産業界の常識を超える破格の厚遇に、再建に乗り込んだ企業再生支援機構のメンバーでさえ、「過去の再建案件とは1ケタ違う」と、深いため息を漏らした案件でした。反対に言えば、どんなにか、給与などが厚遇されていたかが透けて見えるわけですから、更生計画から見た場合、また異なる点も存在したと言えます。

JAL解雇のCA71人の控訴を棄却…東京高裁  読売新聞オンライン 2014年6月3日

 破綻して会社更生手続き中だった日本航空から解雇された客室乗務員71人が、解雇無効などを求めた訴訟で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は3日、請求を退けた1審・東京地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
 日航は2010年、大幅な人員削減を柱とした更生計画が東京地裁に認可されたことを受け、原告らを解雇した。控訴審で原告側は、希望退職などで削減目標が達成されており、解雇は必要なかったと主張したが、判決は「原告側の計算は不正確だ」と指摘。「解雇は管財人の責任と権限で行われたもので、人選の基準にも合理性がある」とした。

 5日には、同様に解雇されたパイロット70人による控訴審の判決が言い渡される。