行政書士が扱える業務の範囲はとても曖昧な部分が多く、オールラウンドプレーヤーであるかのような錯覚をされている行政書士さんも多いのですが、あまりにも他士業との業際について考えさせられる事例が多いので意見を書いておきたいと思います。当事務所は、行政書士資格ももっていますので、決して悪い意味ではありませんので法令遵守の立ち位置からの意見です。誤解なくお願いします。

会社設立定款認証を行政書士に依頼する際の注意点

1,税務署や都税、市税に関する届け出などは専ら、税理士の業務です。

2,登記申請は司法書士の独占業務です。会社の登記申請を依頼するとしたら 当然ですが、司法書士の業務です。
 しかし、行政書士は定款(電子定款)の作成はできます。他の申請書面はあくまでも発起人の「代行」という論理で行っているものと思いますが、「代行」は非司行為(非司法書士行為。行政書士、税理士などが会社設立の登記業務を行うことは違法。)とされています。

定款認証以降の手続きを行政書士に依頼と司法書士に依頼の違い

 行政書士は①定款の作成をし、②電子署名での電子定款の作成、③公証人での認証までが業務となります
 司法書士は代理人として、①定款の作成をし、②電子署名での電子定款の作成、③公証人での認証、④登記書類の作成、⑤法務局への提出の全てが業務です。

 行政書士に依頼した場合は、発起人の「代行」で登記書類を作成しても、あくまでも依頼者本人名義の「代行」で法務局に提出することになります。発起人の代わりに「代行」、この点が非司行為にあたり、司法書士からも問題視されているわけです。

 ある方の弁をお借りしますが、良心的な行政書士は、定款を作成し、電子署名をした上で電子定款の認証を受けたあとは、司法書士に依頼します。多くの行政書士は、司法書士に依頼と言いながらも司法書士に実際には依頼せず、ご自分で違法な状態で行っているようです。時には、発起人の名義で法務局に郵送したり、持参したりといった手段も取られているのが実態です。

 しかし、なお、行政書士が現在、民事訴訟法などが試験科目にはなく、実際にもあまり精通しているとは言えない時点、依頼される場合、相談される場合には、ご自身での十分な検討と判断が必要です。

なお、行政書士の皆様のサポートも行っていますので、ご相談下さい。